腸活のススメ:健康な腸で毎日を快適に

 10年ほど前から注目されているのが、“腸活”です。「腸は健康の源」と呼ばれています。腸活することで健康な体を保つようにしたいものです。

今回は、腸活を取り上げてみたいと思います。腸活の目的や腸の働き、善玉菌について、ご紹介しますので、最後までお読みいただけると嬉しいです。

§.腸活の目的:健康にどう役立つ?

腸活とは、腸内環境を良好な状態に保ち、全身の健康を向上させる活動のことを言います。

腸活と聞くと、「お通じの改善」をイメージしがちですが、実はそれ以外にも大事な目的があります。

それぞれの目的をみてみましょう。

①腸内環境の改善

私たちの腸内には、数えきれないほどの細菌が生息しています。善玉菌と悪玉菌のバランスが大きく影響しています。善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことで、腸内環境を整えて、健康な体を保つようにします。

②便秘や下痢の改善

腸内環境が乱れると、便秘や下痢などの消化器系の不調を引き起こしてしまいます。そのため、腸活によって、腸の働きを正常にして、便通を改善し、整えるようにします。

③免疫力の向上

腸は食べ物と一緒に入ってくる細菌やウイルスと常に接している臓器です。ですので、腸は全身の免疫機能に重要な役割を果たしています。腸活をすることで、腸内環境を整えて、免疫力を高めます。

④心身の健康促進

私たちの腸と脳は密接に関わっています。腸内環境が乱れると、精神的な不調やストレスにも影響を与えてしまいます。腸活をすることで、心身の健康を総合的にサポートします。

§.腸活の第一歩!腸の基本的な働きを知って毎日を快適に

腸には、大腸や小腸があるのは、ご存知かと思います。大腸、小腸、それぞれ役割が違いますので、ここでは、その働きを取り上げます。

小腸

小腸は全長が約6~8mあり、消化の仕上げや栄養の吸収をする役割をしています。小腸の内壁には「絨毛(じゅうもう)」と呼ばれる小さなヒダがあります。そのヒダの面積はテニスコート1面の広さになると言われています。

①消化の仕上げ

胃でドロドロになった食べ物は小腸へ送られてきます。小腸では、肝臓からくる胆汁、膵臓からくる膵汁、そして小腸自体が出す消化酵素の力で、さらに細かく分解されます。

パンやごはんなどの炭水化物はブドウ糖に。肉や魚、卵などのたんぱく質はアミノ酸に。油などの脂質は脂肪酸に。それぞれ、体が吸収しやすい形にまで分解します。

②栄養の吸収

細かく分解された栄養素は、絨毛の表面から血液やリンパ液の中に取り込まれます。そして、全身に運ばれて私たちの体を作るエネルギー源となったり、細胞の材料になったりします。小腸は食べ物から栄養を吸収するメインの場所で、その90%が小腸で行われます。

大腸

大腸は 小腸に比べて 太く、全長は約1.5m あります。 小腸から送られてきた栄養が吸収された後のカスを大腸では水分と便の形成、そして免疫の役割をしています。

①水分の吸収と便の形成

小腸から送られてきた食べ物のカスは、多くの水分を含んでいます。大腸では、ゆっくりと吸収して、カスを固形の便に変えていきます。水分がうまく吸収されないと、下痢になったり、逆に吸収されすぎると便秘になったりします。

②便の排出

大腸は、作られた便を肛門まで運ぶ「蠕動運動(ぜんどううんどう)」と呼ばれる運動をしています。
肛門のすぐ手前にある直腸に便が溜まると、脳に刺激が伝わり、便意を感じて排便に至ります。

③腸内細菌の活動と免疫

大腸はおよそ1000種類、100兆個以上もの腸内細菌が住んでいます。お花畑のような状態で、〝腸内フローラ〟と呼ばれています。

腸内細菌は、小腸で吸収しきれなかった食物繊維などを分解し、私たちの体に良い影響を与えています。特に最近注目されているのが、免疫機能です。免疫細胞の約7割が腸に集中していると言われています。口から入る食べ物は栄養だけでなく、病原菌も含まれています。その病原菌が体内へ入り込むのを防ぐ役割を腸は行っていますので、〝体の門番〟と言えるでしょう。

腸内環境が整っていると、免疫細胞が活性化されて、病気になりにくい体を作ることができます。ですので、腸活はとても大事なことなのです。





§.腸内細菌にはどんな種類がいるの?

腸内にはおよそ1000種類、100兆個以上の細菌があることは先述しました。
その細菌は、三つに分類されています。

①善玉菌 ➡ 乳酸菌やビフィズス菌などの人の体に有用な働きをする菌

②悪玉菌 ➡ 大腸菌や黄色ブドウ球菌などの腸内を腐敗させたり、有毒な物質をつくる菌

③日和見菌 ➡ 善玉菌とも悪玉菌ともいえない菌

摂取した善玉菌は、便として排泄される性質があるため、腸内に長くとどまることは出来ません。そのため、常に善玉菌を摂取し続けることが、良い腸内環境をキープするためには、とても重要なことになります。

悪玉菌は増加すると、腸内にアンモニアやインドールなどの腐敗産物が増え、便やおならが臭くなります。また、悪玉菌が増えると、善玉菌が増えにくくなるなるので、食事内容に気を付けたり、規則正しい生活を心掛けたりして、悪玉菌を増やさないようにしましょう。

日和見菌は善玉菌とも悪玉菌とも言えない菌で、腸内細菌全体の7割を占めています。この日和見菌はその名が示す通り、免疫力が衰えて来ると悪玉菌として働きます。免疫力の低下にならないように心掛けることも大事です。


腸活の要!知っておきたい善玉菌の種類とその働き

腸内環境を整える「腸活」が注目されていますが、その主役となるのが善玉菌です。善玉菌にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる働きで私たちの健康をサポートしてくれます。今回は、代表的な善玉菌の種類とその特徴、効果的な摂取方法についてご紹介します。


1. 酪酸菌


酪酸菌は、腸内の悪玉菌の増殖を抑える拮抗作用を持つ菌です。主に酪酸を産生し、他の善玉菌と共生しながら腸の調子を整える働きをします。酸やアルカリ、熱、さらには感染症治療で処方される抗菌薬にも耐性があるのが特徴で、生きて腸まで届きやすい菌として知られています。

2. 乳酸菌


主に小腸の下部から大腸に生息する乳酸菌は、私たちが食べたものに含まれる糖を発酵させて乳酸を産生します。乳酸によって腸内環境を弱酸性に保ち、悪玉菌の繁殖を抑制する重要な役割を担っています。


3. 糖化菌


糖化菌は小腸に生息し、消化酵素の一種であるアミラーゼを産生します。これにより、でんぷんを糖に分解し、でんぷんを分解できない乳酸菌の発酵を助ける働きをします。私たちにも馴染み深い納豆菌も、この糖化菌の一種です。


4. ビフィズス菌


主に大腸に生息するビフィズス菌は、乳酸や酢酸を産生して腸内を弱酸性に保ち、良好な環境を整える働きをします。大腸に存在する善玉菌の実に99.9%がビフィズス菌であると言われるほど、非常に重要な存在です。

しかし、ビフィズス菌の量は加齢とともに減少していくという研究報告があります。また、近年の日本人ではビフィズス菌がゼロの人も珍しくないという報告もあり、意識的に補給することが大切です。

ビフィズス菌は酸素に非常に弱いため、空気に触れると生きていけません。そのため、一般的な発酵食品にはあまり含まれていません。食品からビフィズス菌を効率的に摂るには、ビフィズス菌入りのヨーグルトが主な選択肢となります。

胃酸に弱い性質を持つため、食後のデザートとして食べることで、胃酸の影響を受けにくくなり、生きたまま腸まで届きやすくなります。

さらに、ビフィズス菌が大腸で元気に活動するためには「エサ」が必要です。そのエサとなるのが水溶性食物繊維オリゴ糖です。水溶性食物繊維を多く含む食品としては、昆布、わかめ、海苔、納豆、きな粉、ほうれん草、ごぼう、春菊、かぼちゃ、明日葉、柑橘類、キウイフルーツ、アボカド、もち麦、オーツ麦などがあります。これらの食品を積極的に摂取することも、腸活においては非常に重要です。


§.腸活の大事なポイント

①食事

②規則正しい睡眠

③朝、必ずトイレへいく

④ストレスケア

 

                                         


今回は「腸活」をテーマに、腸の重要な働きや腸内に存在する様々な細菌、特に善玉菌に焦点を当てて解説しました。

この記事を通して、皆さんがご自身の腸の働きについて理解を深め、日々の生活に「腸活」を取り入れるきっかけとなれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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